【耳をすませば】都市伝説まとめ!甘酸っぱい物語の裏にある裏設定とは

『耳をすませば』は、思春期を生きる男女2人の夢と初恋を描いた作品です。1995年にスタジオジブリから公開されました。約30年経った今でも、見た人の心をくすぐり続ける人気の作品。大人でも彼らから学ぶことが多いですよね。ジブリ作品の中では珍しく、ファンタジー要素が少ない『耳をすませば』。知ると驚く都市伝説があるのをご存じですか?

こちらの記事では、耳をすませばの都市伝説を紹介!後半ではタイトルに込められた意味や、原作との違いまで徹底的に解説していきます。見るともう一度映画を見たくなる、そんな内容です。是非最後まで見ていってくださいね。

目次

知るともっとおもしろい!『耳をすませば』の都市伝説

ジブリ作品は、数々の都市伝説があることで有名です。しかし、都市伝説をよく聞くのは、ファンタジー要素の強い作品がほとんど。耳をすませばは、リアルな世界で普通の少女が、現実的な悩みを抱えるストーリーです。どのような都市伝説があるのか気になりますよね。ここからは、有名な都市伝説をご紹介します。

『猫の恩返し』は雫が書いた物語

2002年にスタジオジブリから公開された『猫の恩返し』。作品のタイトルに猫と入っているだけあって、たくさんの猫が出てきます。この作品の中に、耳をすませばに登場した、バロンとムーンが出ているのをご存じですか?雫は、耳をすませばの作中で、バロンの物語を執筆していました。そのため猫の恩返しは、雫が書いた物語ではないかという都市伝説があります。雫が小説家になっていたらファンは嬉しいですよね。

実は、この2つの作品を執筆したのは、漫画家の柊あおいさん。柊さんは、バロンやムーンを見た視聴者が、雫や聖司が出てくることを期待をするのではと心配したそう。その結果「雫が書いた物語」という設定にしました。確かに何も知らずにバロンが出てきたら、耳をすませばの世界に繋がるのではと期待しますよね。視聴者をがっかりさせない心遣いが魅力的ですね。

耳をすませば症候群とは

耳をすませばでは、主人公・雫が夢に向かってひたむきに頑張る姿や、聖司との恋が実る様子が描かれていました。誰もがそんな青春時代を過ごしたかったと思うほど、リア充な内容ですよね。キラキラしたストーリーと自分を重ね合わせ、落ち込むことを「耳をすませば症候群」といいます。また、インターネット上で語られているのが、耳をすませばを見た後に、自ら命を絶った人がいるという都市伝説。しかし、実際には耳をすませばが原因で、人が亡くなった事実はありません。インターネット上で、耳をすませばの都市伝説を盛り上げようとした人のいたずらでしょう。

個人情報漏れで日本図書館協会から猛抗議が来た

耳をすませばの都市伝説の1つに、日本図書館協会からクレームの連絡がきたというものがあります。図書館は、耳をすませばのストーリー中、何度も登場するスポット。聖司がお父さんのお弁当を届けてくれたり、雫と聖司が2人で利用したり、恋が進展する重要なシーンで出てきます。クレームどころか、若者が図書館に足を運ぶきっかけになり、喜ばれそうですよね。

しかし驚くことに、この都市伝説の正体は事実でした。図書カードに名前が記載されていたことが問題になったのです。耳をすませばが制作されていた時には、図書館利用時に図書カードを使っていませんでした。図書館で個人情報が保護されていないというイメージを回避すべく、日本図書館協会が猛抗議。その結果、DVDには現在は図書カードを使用した運営はしていないという内容のテロップが入っています。

制作スタッフの遊び心?他のジブリ作品と繋がる裏設定3選

ジブリ作品は、ほんわかした雰囲気が特徴です。この作品だけが大好き!というよりも、ジブリ作品が好きという人が多いのではないでしょうか。実は、耳をすませばの劇中には、他のジブリ作品と繋がる裏設定が存在します。知ると今から作品を見たくなるのではないでしょうか。

オープニングは『平成狸合戦ぽんぽこ』繋がっている

耳をすませばのオープニングは、街の夜景が映し出されています。作品の中で他にも印象的なシーンが多いので、知らない方もいるかもしれません。このシーンは、『平成狸合戦ぽんぽこ』のエンディングと繋がっているのです。2つのシーンを並べてみると、ほぼ同じで驚きます。平成狸合戦ぽんぽこは、山が開発されていく中で狸たちが人間に対抗するストーリー。狸たちが住んでいた山は、東京の多摩でした。耳をすませばの舞台も同じく多摩。映画の序盤に出てきた「コンクリートロード」の歌詞に「森を切り~谷を埋め~」とありましたね。その背景に狸たちの戦いがあったと思うと、曲に対する印象が変わるのではないでしょうか。

『海がきこえる』の2人がこっそり出演

雫が電車に乗るシーンでは、反対側のホームに『海がきこえる』に出ていた武藤里伽子と杜崎拓が登場しています。2人で電車に乗りどこかに出かけるのでしょうか。制服で電車を待っているようでした。こういったさりげなく他の作品のキャラクターが出ている場面は他にもあります。バロンを制作する場面でトトロの置物が飾ってあったり、時計には紅の豚のポルコの名が刻まれていたりします。映画を制作している人たちのジブリ作品愛が伝わり、ほっこりする演出ですね。

『魔女の宅急便』ジジと被るため黒猫NG

聖司が飼っている猫・ムーンは、ぽっちゃりとしていて気だるそうな雰囲気が特徴の猫です。色は茶色系で野良猫感が漂っていました。ムーンは原作でも登場します。しかし、原作で猫は2匹登場し、両方とも黒猫です。なぜムーンは、あのような見た目になったのでしょうか。それは、『魔女の宅急便』のジジと被るから。魔女の宅急便は、スタジオジブリで初めて大ヒットを収めた作品です。ジジは、主人公・キキの相棒の猫という重要な役でした。ジブリで黒猫=ジジというイメージが、視聴者にも制作側にも強く焼きついていたため、ムーンを別の種類の猫にしようとなったそうです。

『耳をすませば』の原作を深堀り!

耳をすませばは、ジブリ作品では珍しく、漫画が原作の作品です。宮崎駿監督が、りぼんに掲載されていた『耳をすませば』を読んで気に入り、映画化が決まったんだとか。ここからは、原作漫画について解説していきます。原作を知ったうえで映画を見るとまた違った発見があるかもしれませんよ。

原作は柊あおいさんの漫画

耳をすませばの原作は、1989年に連載がスタートした柊あおいさんの漫画です。ジブリじゃないことに驚く人も多いのではないでしょうか。柊あおいさんといえば、少女漫画で有名な漫画家。甘酸っぱい恋愛を描いた作品が多く、思春期の女子たちをキュンキュンさせてきました。当時柊さんは、りぼんで連載を持っていて、耳をすませばは2つ目の連載作品。1つめの「星の瞳のシルエット」が大ヒットした後の作品でした。耳をすませばは、今でこそ人気があります。しかし、漫画が連載されていた当時は大衆受けせず、たった4巻で打ち切りになりました。映画化が決まった際には、柊さんは思わず「噓でしょ」と言ってしまったそう。4巻で打ち切りになった作品が、ジブリで映画化されるなんて夢のようですよね。

原作のせいじは画家志望?映画との違いとは

映画版耳をすませばは、ジブリが脚色を加えた作品です。大筋のストーリーは同じですが、様々な設定が違います。まず大きく違うのが、原作は本が好きな少女の恋がメインに描かれていること。映画では、自分の「夢」との関わり方について悩むシーンが多く見受けられました。「夢」を優先しすぎたあまり、成績が下がった雫。両親と家族会議をする印象的なシーンがありましたが、原作にはありません。また、映画でバイオリン職人を目指す聖司は、原作の中では画家を目指していました。その他にも下記のような違いがあります。

・雫と聖司の年齢は中学1年生
・雫と聖司が出会ったとき、コンクリートロードの歌詞じゃなく、読んでいた本を嘲笑った
・聖司には兄がいて、雫の姉と交際している
・姉の性格は、ハキハキした感じではなく、おっとり
・母は学生ではなく、専業主婦。気が強い
・カントリーロードを歌わない

かなりの内容の違いに驚きますよね。

『耳をすませば』タイトルに込められた意味とは

耳をすませばの劇中、何かに耳をすませるような場面は出てきません。ましてや、原作での聖司が画家を目指していたとなると、尚更何に耳をすませるんだろうと思いませんか?『耳をすませば』のタイトルは、柊あおいさんがストーリーを考える前につけたそう。どのような思いでこのタイトルにしたのでしょうか。柊さんはこのように答えています。「少女漫画のタイトルは一般的に恥ずかしくて人に言えないものが多いから、人に言っても恥ずかしくなくて、耳に聞いて心地が良い、忘れられないようにしよう」。そして普段使う言葉の中から「耳をすませば」とつけたそうです。確かに少女漫画には甘いタイトルが多い中、耳をすませばは、まるで小説タイトルのように聞こえますね。

雫と聖司は結婚するの?物語の結末とは?

耳をすませばといえば、ラストで聖司がプロポーズするシーンが印象的です。朝日に誓うように告白する聖司。心を打ちぬかれた女子は多いのではないでしょうか。映画が終わると雫と聖司のその後がどうなったのか気になりますよね。2人は結婚した。別れた。遠距離恋愛で結婚に至っていない。など、ネット上には様々な憶測が飛び交っています。実は、原作でもその答えは出されていません。ジブリ作品では、幻のエンディングの都市伝説が度々浮上します。しかし、耳をすませばにはそれもないのです。
2022年10月に実写版映画『耳をすませば』が公開されました。この映画の中で10年後のオリジナルストーリーが見られるそうです。20歳を超えた2人はどのように過ごしているのでしょうか。気になる方は劇場に足を運んでみてくださいね。

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