【もののけ姫】カヤの秘密とは!アシタカとの関係性や子供などその後も考察

もののけ姫

『もののけ姫』は宮崎駿さんが原作・脚本・監督をつとめた、スタジオジブリの長編アニメーション映画です。第21回日本アカデミー賞最の優秀作品賞や、第1回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門大賞を受書したことでも知られています。

今回解説するのは、そんな『もののけ姫』に登場する「カヤ」についてです。登場場面が少ないキャラクターですが、かわいらしい見た目と健気な性格で印象に残っている人も多いでしょう。『もののけ姫』をより深く楽しむために、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね!

『もののけ姫』のカヤは何者?年齢は?

名前カヤ
性別女性
年齢13〜14歳
部族蝦夷
声優石田ゆり子

カヤはアシタカと同じ蝦夷であり、小さな村で狩猟採集の生活をしています。目鼻立ちの整った美しい少女で、出番が少ないながらもファンが多い魅力的なキャラクターです。

タタリ神にも立ち向かう!剣術を心得た勇敢な少女

カヤは『もののけ姫』の冒頭で、タタリ神と化してしまったシシ神の森に住む猪神「ナゴの守」と遭遇します。そして追いかけられて絶体絶命の瞬間にも、カヤは剣を持ってタタリ神に立ち向かおうとしました。到底人間では敵わない敵ですが、カヤは懸命に立ち向かおうとしたのです。

また、素早く剣を構える姿から、カヤが剣術に長けていると推測できます。作中の時代はまだまだ自然が厳しく、野生の動物と対峙することも多かったため、蝦夷の一族は剣術や武術に長けていたと考えられるのです。アシタカと同じ部族らしく、とても勇敢ですよね。

『もののけ姫』のキャラクターの中ではかなり幼い!
カヤの年齢はわずか13〜14歳

カヤの年齢は13歳〜14歳であり、『もののけ姫』に登場するキャラクターの中ではかなり若い方です。とは言え、本作のヒロインとなるサンの年齢は15歳。さらに本作の舞台となった室町時代の平均寿命はわずか16歳。このことを考えると、十分大人の女性と言えるかもしれません。

『もののけ姫』の序盤で明かされる!カヤとアシタカの関係

ここからは、カヤとアシタカの関係性を解説していきます。『もののけ姫』の序盤でさりげなく演出されているので、ぜひ注意して観てみてくださいね!

カヤはアシタカの許嫁!2人は婚約者だった

なんとカヤは、13歳にしてアシタカの許嫁でした。村の長にも認められた関係で、将来を添い遂げる約束をしていた仲だったのです。

作中でカヤがアシタカのことを「兄様」と呼んでいるので、兄妹だと認識している人も多いようですが、婚約関係は公式で発表されている設定です。この設定を知ると、冒頭の短いシーンにも深い意味が見出せますよね。兄様という呼び名は、目上の尊敬する男性に対して使われるもののようです。

そしてアシタカは、弓や刀の扱いに優れ、未来の村長として育てられていた優秀な人材でした。つまりカヤは、将来安泰な男性と婚約し、村長の妻として本来なら幸せな家庭を築くはずだった女性なのです。

カヤとアシタカの間に子供はいる?

カヤとアシタカの間には既に子供があったのではないか、という考察も多く見受けられます。これはこの後の項目で詳しく解説しますが、カヤがアシタカに黒曜石の小刀をわたし「一生を捧げる」ことを誓っているためです。

一生を捧げ、「この先の人生は誰とも添い遂げることはない」というカヤの意思は、子供があったからこその生まれたのではないかと考察されています。現在の感覚では13歳の懐妊を早すぎると感じますが、13~15歳頃が結婚適齢期であった室町時代では珍しいことではありませんでした。

『もののけ姫』の中でも印象的!
少なくも愛情にあふれたカヤのセリフ

ここからは、カヤの印象的なセリフを紹介していきます。

「お仕置きは受けます。どうかこれを、私の代わりにお供させてください」

アシタカが村を出る時に、こっそり見送りに来たカヤのセリフです。タタリ神の呪いを受けて村を追放されたアシタカの見送りは禁じられていましたが、カヤは自分の近いと愛情をアシタカに伝えるために言いつけを破ってまで見送りに来たのです。

「お守りするよう息を吹き込めました。
いつもいつも、カヤは兄様を思っています。きっと、きっと…」

カヤは当時の高級品である小刀に自分の思いこめてアシタカにお供させました。つまり小刀には、アシタカの無事を祈っているカヤの並々ならぬ思いがつまっているのです。

このポイントを考えると、アシタカがサンに小刀を贈ってしまうシーンがひどく見えてしまいますよね。
帰らぬ愛しの人を生涯村で待ち続けるカヤの心を想うと切ない気持ちになります。

カヤの受けたおしおきとは?

お仕置きを覚悟でアシタカを見送りに行ったカヤはどうなってしまったのでしょうか。

アシタカを見送ったことで罰を受けたカヤ

詳細は描かれていませんが、村を出ていくアシタカを見送るために、掟を破ったカヤは、その後村長から罰を与えられたのではないか、という考察も存在しています。

この時代の罰は死罪が多かったため、死んでしまったのではないかという考察もありますが、アシタカの婚約者としてその説はないでしょう。

アシタカが見送りに来たカヤを見た時のセリフも「カヤ。見送りは禁じられているのに。」くらいだったので、死罪になるほどの罪とは思っていないと考えられます。

おそらく外出禁止やお説教を受けた程度ではなかったのでしょうか。

『もののけ姫』の2人のヒロインは同じ声!
カヤとサンの声優は石田ゆり子

ジブリファンの間では知られていることですが、『もののけ姫』のメインヒロインであるサンとカヤは、2人とも石田ゆり子さんが声優を担当しています。

アシタカと心を通わせた2人のヒロインの共通点

サンとカヤの声優を石田ゆり子さんが担当したのは、アシタカと心を通わせる2人のヒロインを対のように演出するためではないかと考察されています。2人ともアシタカの特別な人であり、共に人生を生きる約束を交わしていますよね。

正反対というほどサンとカヤは異なる性格ではありませんが、カヤはサンよりも素直で情熱的です。アシタカにしっかりと思いを伝え、愛情を示します。サンはアシタカへの愛情を持っているものの、不器用で無骨な態度をとりがちです。

物語的な意味は特に明かされていない

声優を同じにしたことに関する意味は公式で明かされていないため、特に意味はない、とも考えられています。実際に、サンとカヤの声優が同じであることが『もののけ姫』の物語の根底に深く関わる演出にはなっていませんよね。

中には宮崎監督が、もともとカヤの声を担当していた声優さんの演技が気に入らず、急遽石田ゆり子さんがつとめることになったという説もあります。特別な意味が公開されていない以上、こちらの説が有力と言えるでしょう。

 

かわいい少女なのにかわいそう!
『もののけ姫』の冒頭でカヤがアシタカに贈る玉の小刀の意味

カヤは見た目がかわいらしい少女としても人気ですが、ファンの中ではアシタカと今生の別れを果たした悲しい人生がかわいそうだとも言われています。そこで注目したいのが、アシタカへ贈られたカヤ小刀の意味なのです。

貞操を守り抜くという誓い

小刀には、この先一生アシタカ以外の人間と恋愛をせず、「貞操を守り抜く」という意味合いが込められていると言われています。つまり、カヤわずか13歳にも関わらず、アシタカと別れた時点から一生恋愛をできない身になったのです。現在の感覚からすると、かなりかわいそうですよね。

この時点で貞操を守り抜くという誓いを立てていることから、カヤは既にアシタカの子供を孕っていたのではないか、という考察が生まれました。

その後は巫女になったという考察も多い

カヤはアシタカと今生の別れを果たし、そこから貞操を守り抜く誓いを立てたため、体が清らかなまま一生を過ごすことになります。そのことから、カヤは蝦夷の村の巫女として生涯を過ごしたのではないか、と考察されているのです。

実際、小型は黒曜石でできた当時の最高級品であり、その誓いの固さは相当なもの。カヤが覚悟を持ってアシタカへ誓いを立てていることがわかります。公式からはカヤのその後に関する情報は明かされていませんんが、巫女や神職についた可能性が高いと考えられているようです。

声優をつとめた石田ゆり子も抗議!カヤを裏切るアシタカのひどい仕打ち

小刀に関して最も注目されているのは、アシタカがカヤからもらった後にサンに贈っているというポイントです。カヤが決死の覚悟でわたした小刀を、アシタカは新たに人生を添い遂げたいと思った相手であるサンに贈りました。これには多くのファンから批判が殺到しました。

サンとカヤの声優をつとめた石田ゆり子さんも、「この展開は酷すぎる」と宮崎監督に抗議したそうです。すると宮崎監督は「男ってそんなもん」と一蹴。さらにアシタカは蝦夷の王になるはずの男性だったため、サンとカヤの2人を妻として迎えても良いと語っています。小刀を新しい女性にあげてしまう感覚も、アシタカの育ちや恋愛観によるもので、悪気はないようです。