【もののけ姫】こだまの正体とは?成長後の姿やモデル・裏設定を紹介!

【もののけ姫】こだまの正体とは?成長後の姿やモデル・裏設定を紹介! ジブリ

『もののけ姫』は、1997年に公開されたスタジオジブリの長編アニメ映画です。原作から脚本、監督まで宮崎駿さんがつとめました。「生きろ。」をキャッチコピーに、自然と人間の関わりを大迫力で描いています。

「第1回文化庁メディア芸術祭」のアニメーション部門で大賞を受賞し、世界的な大ヒットを記録した作品なので、ジブリに詳しくなくても鑑賞したことがある人も多いでしょう。

今回は、そんな『もののけ姫』の「こだま」について解説していきます。謎の多い精霊や幽霊のような不思議なキャラクターであるこだまの背景や意味を知って、『もののけ姫』をより深く楽しんでみましょう!

『もののけ姫』の隠れた名キャラクター!こだまのプロフィール

名前こだま(木霊)
種族森や木々の精霊
性別非公開
外見白くて人間に似ている
鳴き声土鈴

こだまに関する情報はとても少なく、その生態はほとんど謎に包まれています。一方で、作中では重要なポイントで姿を現し、ストーリーに陰唇な演出を与えているのが印象的です。

怖い?可愛い?『もののけ姫』の世界観を作る独特の見た目

こだまの見た目に関しては怖いという人がいれば、可愛いという人もおり、さまざまな意見が寄せられています。骸骨のように無表情な顔や人間のような体型が独特の雰囲気を持ち、愛らしいものの少々不気味な見た目が人気のようです。

作中ではタタラ場の人間に恐れられていましたが、アシタカは「こだまの存在は森が豊かな証拠」として好意を見せていました。こだまもそんなアシタカに好意的で、アシタカが森を抜けるシーンでは道案内をしてくれています。人懐っこい面があるということもよくわかりますね。

おしりが印象的?こだまのモデルになったものとは

こだまにはモデルになった存在があると言われており、これに関して宮崎監督は「「森に何かが見える」というスタッフによる言葉を元にしている」と発言しています。つまり霊的な存在が見える人の実際の意見で作られたキャラクターデザインなのです。より神秘的に感じられますよね。

宮崎監督は『もののけ姫』の中で森や木々の命の重さをしっかりと表現するために、自然の命をこだまとしてキャラクター化したそうです。あのこだまが現れるシーンでは、確かに森の神秘性や目に見えない大自然の命を強烈に感じられますよね。

実際に『もののけ姫』の森のモデルとなった屋久島では、写真を撮ると白いオーブとしてこだまが映り込むともあると言われています。こだまの丸くて白いキャラクターデザインは、実際に存在しているかもしれない木霊と近い姿をしているのかもしれません。

『もののけ姫』といえばこの音!こだまの首振り音の正体

こだまと言えば首を揺らして「カタカタ」という音を鳴らす姿が印象的ですよね。まるでおもちゃのように首を軽やかに鳴らして、怖いような可愛いような仕草を繰り返します。

首振り音で会話したり合図を送ったりしている

こだまの首振り音に関しては、合図や会話なのではないかと言われています。作中でタタラ場の人は、「こだまはこの首振り音でシシ神を呼んでいる」と発言していました。シシ神が夜間にダイダラボッチになるシーンでも、こだまは木の上に登って一斉に首振り音を鳴らしています。

キャラクターの発言や、こだまの首振りシーンを見ると、ただ無意味にやっているようには思えませんよね。神聖な力を持つ人や、森の者同士でならメッセージとして理解できるのかもしれません。

首振り音は「土鈴」と「木製のカスタネット」で収録

こだまの首振り音は、「土鈴と木製のカスタネットを使って収録された」と公式が発表しています。土鈴は特報の時のみに用いられたそうなので、私たちが『もののけ姫』の劇中で耳にしている首振り音は木製のカスタネットの音です。

あの不思議な音が、意外と身近な楽器で作られていたのかと思うとちょっと親近感がわきますよね。

こだまの正体がしめす!『もののけ姫』と『となりのトトロ』の関係

ここからは、宮崎監督が明言している『もののけ姫』と『となりのトトロ』の関係を紹介していきます。一見テーマが異なる映画に思える2つですが、そこには大きく深いつながりがあったのです。

『もののけ姫』のラストに注目!こだまが成長するとトトロになる?

『もののけ姫』の終盤でシシ神の首が入り落とされた後、大量のこだまが地面へと落ちて消えていきました。これはシシ神が受けた攻撃のダメージが森全体へと伝えわり、森が死んだからです。多くのこだまはここで命尽きました。

しかし『もののけ姫』の最後のシーンでは、争いが終わって静まり返った森にこだまが1匹現れるのです。そしてこだまがスッと姿を消して『もののけ姫』は終わるのですが、これは森は完全に死んでおらず、これからも存在し続けるということを暗示しています。

そしてここで驚きなのが、この生き残りのこだまは成長しトトロになると宮崎監督が明言していることです。これはなかなか衝撃的な事実ですよね。こだまの成長を通して『もののけ姫』と『となりのトトロ』が繋がっていたのです。

宮崎監督はトトロが数千年も生きている生物なのに、もののけ姫の森にはいないという矛盾を考え、こだまが後にトトロになるという設定を考えました。

一方で鈴木プロデューサーは、メディアで宮崎監督のトトロに関する考えを紹介しています。

「かつてこの世には、たくさんのトトロ族がいた。
彼らは人類と戦って滅ぼされたが、その生き残りがいろんな時代に登場する。
中世なら「もののけ」、江戸時代には「幽霊」、そして、今は「となりのトトロ」。
トトロはそういう歴史を背負っている存在なんです。
ただかわいいだけの生き物じゃない。恐ろしさも含んでる。」
人間によって滅ぼされた森から、地道に復活したこだまの存在と重なる考えですよね。人間と自然の歩んできた悲しい歴史を、こだまとトトロは抱えているのです。
かつて存在していたトトロ族と森の古代神たちは、地殻変動や人間の侵攻を受けて神聖な森という居場所をなくしていきました。そして人間と共存することを覚えてひっそりと暮らしているのがトトロだと考えられるのです。
『もののけ姫』の中で乙事主が「わしの一族を見ろ!みんな小さくバカになりつつある。」と、人間に支配されつつある本来の森の原住民である自分達のことを表現していました。そしてその末裔、成れの果てがトトロだと思われます。この流れを知ると、ただ可愛い存在をは思えませんよね。

宮崎監督が命の重さを託したこだまの裏設定とは

『もののけ姫』のラストに1匹こだまを登場させようと提案したのは、当時『もののけ姫』の制作に携わっていた天才アニメーターとして知られる二木真希子さんだったそうです。そしてその生き残りのこだまがトトロになるという流れも二木さんが提案しました。

二木さんは「『もののけ姫』のラストに救いがないとやっていられない」という思いからこの提案をしたそうです。そして宮崎監督はその考えを気に入り、『もののけ姫』のラストに取り入れ、メディアでも紹介するようになりました。

この設定通りに考えると、『もののけ姫』の室町時代から約500年後の『となりのトトロ』の昭和までこだまは成長を続けてトトロになったとわかります。

そして2つの作品からわかることは、自然と人間の距離の変化です。こだまはありふれた存在で、老若男女が見ることができました。しかしトトロは子供にしか見えず、見えても滅多に会うことができません。つまり人間は時間をかけて、自然を破壊して距離を作ってしまったのです。

実際に宮崎監督は、「室町時代に出てきた「枯山水」の文化は、人間の側に自然がなくなっていったからできたものではないか」という推測をメディア語っています。

つまり室町時代が舞台である『もののけ姫』でも、着々と人間は自然を支配しようとして攻撃し、自ら距離を作っていったのです。この考えと『もののけ姫』の中で繰り広げられることは、とても内容が合致していて筋が通っていますよね。

『もののけ姫』ファンの間で人気!こだまのグッズ

ここからはスタジオジブリの公式サイトや公式ショップで販売されているこだまのグッズを紹介していきます。こだまの魅力にはまった人はぜひチェックしてみてください!

いつでも持ち歩ける!「ぬいぐるみバッジ」

ふわふわの質感のこだまが可愛らしく人気のアイテムです。安全ピンが付いていつるので、バッジ感覚でどこにでも付けられます。カバンや洋服、タペストリーなどに付けて楽しみましょう!

蓄光仕様で光る!「コダマの置物 」

リアルなデザインと蓄光で光るハイクオリティな置物です。部屋や玄関などに飾ると空間に『もののけ姫』の雰囲気をプラスできるアイテムとして大人気!

おしゃれに使える!「もののけ姫 3連リング」

指にこだまが乗っているような可愛らしいデザインの指輪です。いつものコーデに『もののけ姫』の世界観をプラスできるのが嬉しいファッションアイテムですよね。