【となりのトトロ】ネコバスは何者?行き先や見た目から正体を考察!

となりのトトロ

原作・脚本・監督を宮崎駿さんがつとめたスタジオジブリの代表作ネコバス。1988年の公開時より国民的アニメとして高い評価を獲得する作品です。そんな『となりのトトロ』には、不思議でちょっと変わったキャラクターがたくさん出てきます!

中でも人気なのは、トトロやサツキとメイを運んでくれる「ネコバス」です。ネコバスはその名の通り猫なのにバスの姿をしている不思議な生物で、トトロと同じようにひっそりと人間の世界に寄り添って生きています。

今回紹介するのは、そんなネコバスの正体。ネコバスは一体何者で、どのような存在なのか。『となりのトトロ』の映画の中では多く語られないネコバスの情報をチェックしていきましょう!『となりのトトロ』をより深く楽しみたい人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

『となりのトトロ』で大活躍!ネコバスのプロフィール

名前ネコバス
性別オス
種族化け猫
風貌12本の足、行き先表示、ドアや窓の付いた体
体長約6m

ネコバスは巨大な猫でありバスである不思議な生物。トトロやサツキとメイを乗せて駆け回るシーンを見て、小さい頃に憧れた人も少なくないでしょう。

ふかふかと柔らかそうな体や、自由自在に飛び回る飛行能力などを劇中で披露し、多くの子供から大人まで多くのファンを獲得しています。

名シーンにネコバスあり!姉妹を助ける優しい生き物

ネコバスは、サツキとメイを助けてくれる優しい化け猫です。普段はトトロの送迎を行なっているようですが、メイが迷子になった時にはトトロと一緒に捜索に協力してくれました。そしてサツキを乗せてメイの捜索に向かう時、行き先表示には「めい」と表示されるのです。

実はこのシーンには宮崎監督の狙いがあります。

このように、ネコバスの行き先を「めい」にすることで、サツキとメイに安心感を与えたのです。確かに行き先が「めい」であれば、視聴者の私たちも安心できますよね。

加えて、なぜトトロがサツキと一緒にネコバスに乗らなかったのかというポイントも気になるところです。これにも宮崎監督ならではの解釈があり、トトロは存在するだけで安心を与えてくれる生き物であり、深く関わるような存在ではないとのこと。

このシーンでトトロがサツキと一緒にネコバスに乗り込んだら、サツキはトトロと長時間一緒にいることになるため、人間の世界には戻ってこれなくなってしまう恐れがあるようです。宮崎監督はトトロを描く時に自然そのものや神様を連想させることを意識したと言っていたので、まさにその設定が守られていると言えます。神様は存在するだけで安心できますが、人間が深く関わるべき存在ではないのです。

ネコバスの性別はオス!劇中で○○が見えると話題

劇中でサツキを乗せたネコバスがメイのもとへ走っていくシーンで、ネコバスのアレが見えるのはファンの間でも有名な話です。見るとオスであることが分かるため、ネコバスの性別は判明しています。

他の描写に気を取らあれていると見逃してしまうような短いシーンですが、気を付けて見ているとすぐに分かるため、気になる人はぜひチェックしてみてください。このネコバスはフィギュアなどでも同じように作られているため、SNSでも話題となりました!

おばあちゃんも気付かない?ネコバスは子供にしか見えない

ネコバスは自らを必要としている子供にしか見えない化け猫なので、街中を駆け回っても大人に目撃されることはありません。ネコバスが通過した際にはただ強い突風が吹くだけで、大人はその存在に気付きもしません。

実際に劇中でも、メイの捜索をするために田んぼを歩き回るおばあちゃんや大人たちの中をネコバスが通過しますが、誰一人気付く素振りを見せませんでした。ただ強い風が田んぼに吹きわたるだけで、サツキはその光景に驚きます。

また、サツキが家の外へ薪を取り行くシーンでも、実はネコバスが登場しているのです。このシーンでは、突然強い風が吹き、サツキは抱えていた薪を落としてしまいます。この突風はこそが、実はネコバスだったのです。これは構想段階のメモにも記されています。

この時、サツキはまだトトロの存在を知らず、不思議な生物に会いたいという強い気持ちを持っていませんでした。そのため、このシーンではネコバスを見ることはできませんでしたが、メイがトトロと出会って自分も不思議な生物に会いたいと願った後から見えるようになったのです。

『となりトトロ』の不思議ポイント!
七国山病院を含むネコバスのバス停

ネコバスはフロントの上に本物のバスのように行き先表示があり、その部分を自在に変更できるようです。実際にメイのもとへ向かう時は「めい」、2人をお母さんに会わせてあげた時は「七国山病院」と表記された行き先を表示しました。

劇中で確認できるネコバスの行き先は以下の9つです。

  1. 塚森
  2. 長沢
  3. 三ツ塚
  4. 墓道
  5. 大社
  6. 牛沼
  7. めい
  8. 七国山病院

こんなにたくさんのバス停があるのは驚きですよね。この中で多くの人がすぐに分かるのは「めい」と「七国山病院」でしょう。

また、『となりのトトロ』マニアの人は知っているかもしれませんが、「塚森」という行き先はサツキとメイがネコバスと初めて会った時に表示されていたバス停です。サツキとめいが雨の中お父さんを「稲荷」というバス停で待っていた時にトトロがやって来て、ネコバスが迎えに来ますよね。あのシーンをよく見ると、ネコバスの行き先は「塚森」となっています。

この「塚森」は『となりのトトロ』の舞台となった埼玉県所沢市の「白旗塚」がモデルとなった地名だそうです。メイとトトロが初めて出会ったトトロが暮らす森へ向かうのでしょう。

宮崎監督はトトロが頻繁にネコバスを利用し、人間のようにバス停で退屈そうに待つシーンを意識して描いたと言います。つまりネコバスやトトロは人間たちの暮らしを見て学び、自分達の生活にも取り入れているのです。なんだか可愛い設定ですよね。

『となりのトトロ』には登場しない!超特大のネコバスが存在する

ネコバスは1匹ではなく、超特大の年寄りや子猫なども存在します。彼らは想像や憶測ではなく、公式で発表されているスピンオフ作品に登場するのです。知らない人が多いためびっくりするかもしれませんが、スピンオフ作品には『となりのトトロ』以上に不思議な生物がたくさん登場します!

『となりのトトロ』のスピンオフ作品『めいとこねこバス』に登場する

『めいとこねこバス』はあまり知られていない作品ですが、『となりのトトロ』の続編的な形で作られた短編映画です。『となりのトトロ』と同じく原作・脚本・監督を宮崎駿さんがつとめ、音楽も久石譲さんが担当しました。2002年に製作された作品ですが、メイの声も『となりのトトロ』から引き続き坂本千夏さんが演じています!

上映時間はわずか14分という非常に短いものの、めいは「こねこバス」と出会い、キャラメルをあげて仲良くなったり、夜の空中散歩を楽しんだりする素敵な作品です。「三鷹の森ジブリ美術館」にある映画館「土星座」で年に2回、2ヶ月間上映されています。

公式ホームページで情報が公開されているので、気になる人はぜひ観に行ってみてください!

超特大ネコバスは「ネコバアちゃん」と呼ばれている!

まずメインで登場するこねこバスは、足が6本の小さな化け猫です。メイが1人乗ったら満員になってしまうほどのサイズで、まさに「こねこ」を体現しています。見た目が可愛らしく人気が高いため、「三鷹の森ジブリ美術館」のお土産屋さんやオンラインショップでは文房具やぬいぐるみなどのグッズも販売されています。

そして劇中には、「ネコバアちゃん」と呼ばれる超特大のネコバスも登場!グレーの毛皮にたくさんのびた髭、皺の多い顔などが特徴的なキャラクターです。

ネコバアちゃんの行き先表示には「風浄土」と書かれており、たくさんの幽霊を天国へ導く乗り物として活躍しています。風浄土は極楽浄土を示す言葉であり、ネコバアちゃんはこの世と天国をつなぐ存在なのです。

また、ネコバアちゃんの声はなんと宮崎監督が演じていることでも有名。映画を見に行けば宮崎監督の珍しい声の演技も楽しめますよ!

『となりのトトロ』のネコバスグッズは豊富!
公式ショップでトミカやつみき、ぬいぐるみやフィギュアなどを販売

ネコバスは見た目が可愛らしくふわふわとしているため、ジブリの中でも豊富にグッズ展開されているキャラクターです。ここからは、ネコバスの人気グッズを紹介していきます!

トミカとコラボ・つみき・ぬいぐるみなどが人気!

ネコバスはトミカとコラボしたグッズが販売されており、飾っても可愛い上に遊べるグッズとして子供を中心に人気を博しています。

そしてこちらのネコバスのつみきセットも大人気グッズです!ネコバスの入れ物につみきを入れてコロコロと移動することができるため、子供のおもちゃにピッタリ。インテリア的にも可愛いおしゃれなおもちゃとして話題になりました。

ぬいぐるみに関しては多様な種類が展開されており、ジブリ公式ショップの「どんぐり共和国」やジブリ美術館のオンラインショップなどで購入できます。大きなタイプから小さなタイプまで販売されているので、ぜひチェックしてみてくださいね!

『となりのトトロ』の世界観が楽しめる!
ネコバスの「レールパズル 松郷セット」が人気

『となりのトトロ』の舞台である松郷の世界をレールパズルで表現した「レールパズル 松郷セット」も人気のグッズです。レールを広げてネコバスを走らせて遊ぶことができるため、小さい子供も楽しめます。

可愛らしいトトロたちや、バス停、鉄塔などのオブジェが付属しているので、使わない時はインテリアとして楽しむのも良いでしょう。遊んで飾れるグッズを探してる人はぜひチェックしてみてください!

まるで本物のネコバス!
乗れるネコバスがある「ジブリ美術館」や「ジブリパーク」

ネコバスの等身大に近いオブジェが、「三鷹の森ジブリ美術館」と「ジブリパーク」に存在します。どちらも実際に乗って遊ぶことができるため、子供を中心に大人気です!

「三鷹の森ジブリ美術館」のネコバスは、残念ながら子供しか乗ることができません。 しかし「ジブリパーク」では大人も乗れる特別なネコバスがあるのです!

「ジブリパーク」には子供用のネコバスと大人も楽しめるネコバスの2種類が設置されており、大人も乗って写真撮影が行えます。「三鷹の森ジブリ美術館」でネコバスに乗れなかった人はぜひ「ジブリパーク」に足を運んでみてください!

ネコバスのモデルは化け猫?
『となりのトトロ』の初期イラストでわかる設定

ネコバスは12本の足で風のように街や山を駆け巡る不思議な化け猫です。劇中では大人に姿が見えず、サツキやメイのように不思議な生物との交流を熱望している子供にだけ見えていました。トトロたちのようにもう何百年も存在している不思議な生物です。

また宮崎監督は、インタビューでネコバスはかつて「カゴ」に化けていたとも語っています。カゴは江戸時代に使われていた乗り物なので、ネコバスは少なくとも江戸時代から存在している生物だということが分かりますね。時代に合わせて流行する乗り物に化けて暮らしているようです。

さらに宮崎監督は「ネコバスも昔はただの化け猫だった。バスを見て面白いと思ったんです。」とも語っているので、ネコバスは大昔から乗り物に化けていたわけではない模様。ただの化け猫だった時に乗り物を見て興味を持ったという過去があるのです。