1986年にスタジオジブリから公開された『天空の城ラピュタ』。ジブリ作品といえば、裏側に隠された設定があることで有名です。また、様々な都市伝説がインターネット上で語り継がれています。
この記事では、『天空の城ラピュタ』で怖いと噂される都市伝説を紹介!後半では作品をもう一度見たくなるようなトリビアまで詳しく解説していきますので、是非最後までご覧ください!
『天空の城ラピュタ』怖い都市伝説3選
ジブリ作品に都市伝説はつきものです。天空の城ラピュタの中に「怖い」といわれる都市伝説があるのをご存じですか?ラピュタのストーリー自体に怖い要素がないため、怖いイメージがつきにくいですよね。ここからは、怖い都市伝説として語り継がれているものを3つ紹介します。
悲しすぎる結末。パズーの悲劇とは?
ハッピーエンドで終わる天空の城ラピュタ。悲しいエンディングがあるといわれているのをご存じですか?その内容は、パズーとシータがドーラ海賊団に捕まり、命を奪われたというもの。さらに、パズーはひどい殺され方をし、シータと横たわっているシーンが流れたというのです。かなり残酷な内容で驚きますよね。
しかし、この都市伝説にはモデルになった作品も含め、特に元ネタがありません。天空の城ラピュタには、怖い都市伝説が少ないです。そのため、都市伝説を盛り上げるために一部の人が掲示板などで書き込んだのではないかと考えられます。
天空の城ラピュタに幻のエンディングがあるってホント?
天空の城ラピュタは、木だけが残ったラピュタが空を飛んでいるシーンで締めくくられてます。しかし以前、「別のエンディングを見た」という人がいました。その内容は、パズーが飛行機に乗ってシータに会いに来たというもの。ちなみにスタジオジブリは、幻のエンディングの存在を完全否定しています。そのため、エンディングの正体はなに?怖い。と言われているのです。
この都市伝説に関して、ジブリに詳しい岡田斗司夫先生が、YouTubeで解説しています。幻のエンディングの正体は、宮崎駿監督が描いたイメージボードでした。
パズーが、開発した羽ばたき飛行機に乗り、シータを訪れるイラストです。この絵が、天空の城ラピュタの放送後に、スタッフロールと一緒に流れました。そのため、視聴者がラピュタのエンディングには、続きがあると思い込んでしまったというのです。そこから別バージョンのエンディングがあったと噂になり、幻のエンディングの都市伝説が生まれました。
ムスカがサングラスをかけている理由
ラピュタ帝国で、王族の血を絶やさないため、行われていた可能性があるのが近親交配。ムスカもまた近親交配により生まれた子ではないかというのです。血が濃く生まれた人は、遺伝子の異常が起きやすく、なんらかの障がいを持つことが多いそう。ムスカの場合は、生まれつき目が悪かったのではないかと考えられています。
ムスカの瞳の色は薄いベージュのような色です。青やグリーンなど、目の色素が薄い人は、光を強く感じやすい特徴があります。そのため、ムスカもサングラスで強い光から目を守っているのではないでしょうか。日本でも戦前まで一族の血を絶やさないようにするため、近親交配が行われていました。空を飛べる一族の血が貴重だというのは理解できるでしょう。
天空の城ラピュタの元ネタは存在するの?
天空の城ラピュタはスタジオジブリのオリジナル作品として制作されました。物語の元ネタは、宮崎駿監督が、小学生の頃に思い描いた空想のストーリーです。では、風景やセリフなど、モデルになったものはあるのでしょうか。ここからは、天空の城ラピュタを制作する過程でモデルになったものを紹介していきます。
タイトルの元ネタはガリヴァー旅行記
『天空の城ラピュタ』の元ネタは、ガリヴァー旅行記です。ガリヴァー旅行記といえば、男性が小人に捕まるシーンを思い浮かべませんか?ガリヴァー旅行記は全部で4篇ある物語。その中の第3篇で登場するのが浮島・ラピュタです。内容は巨大な磁石で宙を浮く島・ラピュタに、大勢の学者が住んでいて地上を支配するお話でした。少し映画と似ていますね。
ここで、天空の城ラピュタはスタジオジブリのオリジナル作品なのでは?と思った人もいるかもしれません。宮崎駿監督は、インタビューの中でその件についてはっきりと回答しています。空中に浮かぶ島を舞台にしたストーリーは、前述した通り先に構想していたそう。その上で、名前だけ「ガリヴァー旅行記」のラピュタを参考に選んだとのことでした。
天空の城ラピュタのモデルになった場所はイギリス
豊かな自然に恵まれたラピュタ。日本でも和歌山県でラピュタを思わせるスポットが人気ですよね。ラピュタのモデルになった場所はイギリスのウェールズ地方。宮崎駿監督は、天空の城ラピュタ制作前に、イギリスのウェールズを訪れました。
その風景を鉱山都市のスラッグ渓谷を描く参考にしたそうです。また、天空の城ラピュタに出てくる美しい風景は、世界の様々な場所をモチーフに描かれたと言われています。映画の最初から最後まで続く美しい世界観は、天空の城ラピュタの魅力の1つですね。
飛行石の正体はラピスラズリ?
飛行石は人や島を浮かせる力を持つ石です。劇中では序盤にシータが飛行船から落ちた時に、身に着けていたため命が助かりました。また、洞窟の中でポム爺さんが割ると発光したり、星空のようにキラキラ光ったり。実際にこんな石があったらほしいですよね。
実は、飛行石のモデルになったといわれる石は、いくつかあります。代表的なのは、紫外線を当てると青く光る灰重石(かいじゅうせき)やフローライト。暗闇の中で青く光る様子は、飛行石とそっくりです。しかし、ジブリショップで販売されている飛行石は、前述した2つではありません。
その正体は、ラピスラズリです。ラピスラズリは、深いブルーが特徴のパワーストーン。見た目は飛行石と瓜二つ。ラピスラズリは、古くから幸運を引き寄せてくれるパワーストーンとして大事にされてきました。また、進む道に迷ったときに正しい道に導いてくれる効力があります。まさに飛行石そのものですよね。
滅びの呪文「バルス」の語源はトルコ語?
天空の城ラピュタが金曜ロードショーで放送されると、SNSまでもダウンさせる言葉「バルス」。劇中でバルスは「閉じよ」という意味で使われています。この「バルス」という言葉、語源についての噂が複数ありました。
中でも、よくいわれているのがトルコ語の「バルッシュ(barış)」が語源になったというもの。「バルッシュ」の意味は「平和」。映画の中では滅びの言葉と言われるバルスですが、不の状況を滅びさせ、新しく平和を呼び戻す。そんな意味でつけられたのではないでしょうか。
知るともっと面白い!天空の城ラピュタのトリビア
天空の城ラピュタには、都市伝説とは別に事実として認められている「へぇ~!」な、お話があります。知っていると誰かに言いたくなる。そんなトリビアを3つ紹介します。
ドーラとシータは親子だった?
飛行石を狙う海賊一家のママ・ドーラ。敵かと思いきや最後には味方になり、好きな人も多いのではないでしょうか。実は、天空の城ラピュタ制作当初、ドーラとシータは親子にしようという企画案があったそう。
最終的に作中で2人の親子の設定には触れられていません。しかし、ドーラの部屋に飾ってあった若かりし日の肖像画がシータにそっくりなのです。ドーラがシータのお母さんなら、海賊のお兄さんたちはシータのお兄さんということになりますね。
パズーの10数年後はルフィー!?
「僕は海賊にはならないよ」。これは、海賊船で敵の飛行船を見張っていたとき、不安がるシータにパズーが言った言葉です。パズーの声優を担当していたのは、田中真弓さん。
田中さんは、13年後、アニメONE PIECEで主人公・ルフィの声を担当することになります。ルフィといえば「海賊王に、俺はなる」で有名ですよね。あんなに優しい声で「海賊にはならない」と言っていた10数年後には海賊王になると宣言しているのは、違う作品といえど、おもしろいですね。
ムスカの子孫は未来少年コナンのレプカ
ムスカと未来少年コナンに登場するレプカは血縁関係だったといわれています。レプカは冷酷な悪者のキャラクターです。そんな性格も顔も似ている2人なので納得できるのではないでしょうか。ちなみに、宮崎駿監督は、この2人の血縁関係を認めています。ラピュタから落ちて命を落としたムスカですが、子孫がいたということは、奥さんや子どもがいたということになりますね。
ロボット兵は2種類いる
ラピュタの島に着いたときに印象的だったのはロボット兵。独特の機械音を鳴らしながらお墓に花を飾る姿は、見た人を一気に世界観に引き込みます。しかし、映画の後半では、優しかったロボットが目から光線を出し建物を破壊したり、人間を攻撃したりしますよね。最初が穏やかな印象だっただけに、怖さが増すシーンでした。
実はロボット兵は、同じロボットではなく2種類の別個体。1つ目がキツネリスに懐かれていた「造園用」。心優しく穏やかで、シータに花をプレゼントするシーンもありました。もう1つが「戦闘用」です。腕に突起がついていて、全身セラミックでできています。また、作中には出てきませんが、もう1種類、「医療用」のロボットも存在するようです。
ラピュタを通して宮崎駿監督が伝えたいこととは
宮崎駿監督は、映画を作る際に大切にしていることがあります。それは、「なんのために生きていこうとするのかわからないままさまよっている人たちに、元気でやっていけよ、とメッセージを送ること」。また、作品を通して「自然や環境の大切さ」を伝えていることで有名です。
天空の城ラピュタでも、どこを切り取っても続く、壮大な自然が印象的でした。では、天空の城ラピュタでは具体的に何を伝えたかったのでしょう。その答えは「ラピュタの崩壊」にあるのではないかと考察します。
ラピュタはもともと存在する美しい自然の象徴。ラピュタ人は地上を捨て、ラピュタの島で贅沢に過ごしました。その結果、欲にまみれたラピュタ人とラピュタの文明は長続きしません。
「元気でやってく」には、過度な贅沢や奪い合いは必要ないですよね。今ある自然や環境と「共存」していくには、自分だけでなく他のものを大切に思う気持ちや行動が大切なのではないでしょうか。