【となりのトトロ】お母さんの本名や病名は?その後は退院できた?

1988年に公開されて以来、国民的アニメ映画として人気の『となりのトトロ』。戦後の日本を舞台に、トトロという不思議な生物と幼い姉妹の交流を描いた宮崎監督の作品です。

そんな『となりのトトロ』のメインキャラクターであるサツキとメイのお母さんは、病気がちで入院しています。詳細が描かれないため、印象的でありながら名前や性格などが分からないため、調べてことがある人も多いでしょう。

今回は、そんなサツキとメイのお母さんについて詳しく紹介していきます。お母さんがどんな人であったか詳しく知れば、作品に対する理解も深まるはずです。ぜひ作品のファンの人は最後までチェックしてみてくださいね!

目次

『となりのトトロ』のお母さんはどんな人?名前や声優をチェック!

名前草壁靖子(くさかべ・やすこ)
性別女性
外見黒髪・ハチ張り・長髪
病気結核(と思われる)
性格優しくて知的

サツキとメイのお母さんは、本名が草壁靖子(やすこ)、年齢は不詳のキャラクターです。物語の舞台となった昭和28年らしい古風な黒い長髪が印象的な女性で、出番は少ないですが優しく美しい母親としてファンの間で人気を獲得しています。

サツキはお母さん似?美形な顔や性格も印象的

黒髪で端正な顔立ちをしてる靖子は、わずかな登場シーンでも美しく優しい母親として作品に印象を残しています。多くのセリフはありませんが、夫であるタツオや、サツキとメイを気遣い明るく振る舞う姿から、魅力的な人物であることが分かりますよね。落ち着きがあり知的な雰囲気は、インテリで考古学者であるタツオの妻らしいと評価されています。

また、聞き分けが良く賢いサツキは、そんな靖子の性格に似ているのです。実際に靖子は、劇中でサツキと自分が似ていることについて言及しています。美形で年齢よりもずっと大人びてるサツキは、靖子の影響を強く受けてるようです。

『となりのトトロ』の隠れた人気ポイント!お母さんの声は島本須美さん

靖子の声を担当したのは、声優や女優として活躍していた島本須美さんです。同じく宮崎監督が手がけたアニメ映画『ルパン三世 カリオストロの城』でクラリス役、スタジオジブリ作品の『風の谷のナウシカ』でナウシカ役を担当したことでも知られています。

ジブリ作品の重要なキャラクターを演じたジブリに縁のある人物なのです!

そんな島本さんの声の演技は、『となりのトトロ』の劇中に登場する時間は短いものの、優しくおしとやかな雰囲気でジブリファンの間で高く評価されています。病気がちな儚い雰囲気や、娘を思いやる母親らしい演技が魅力的です。

『となりのトトロ』の有名な死亡説!お母さんの入院理由とは

『となりのトトロ』を観た時にやはり気になるのは、靖子の具体的な体調が明かされないまま入院が続く展開です。病気とした不安要素が作品に絡んでいるため、ネガティブで怖い印象のあるシーンもありますよね。

ここからは、そんな靖子の病気について解説していきます。実はネガティブなことばかりでもないので、チェックして映画の印象を変えてみましょう!

『となりのトトロ』の時代背景で分かる!お母さんの病気は結核

劇中で病名は明かされていませんが、時代背景や靖子の様子から「結核」ではないかと言われています。タツオはサツキとメイに「風邪のようなもの」と説明しており、2人は漠然とお母さんの不調を心配しているように描かれていますよね。

結核は昭和20年代までは不治の病として恐れられていました。しかし、昭和30年代いは治療法が確立し、不治の病から入院が必要な大病に変化したのです。そのため、昭和28年を舞台としている『となりのトトロ』では、結核の治療が確立し始めていた可能性があります。

同じくスタジオジブリ作品である『風立ちぬ』では、ヒロインの菜穂子が結核で苦しむ姿が描かれていますよね。『風立ちぬ』では菜穂子の吐血や衰弱のシーンがしっかりと描かれ、悲しく怖い印象を強く受けた人も多いでしょう。

『風立ちぬ』は1920年代、大正10年前後が舞台となっているため、『となりのトトロ』の時代のように治療が行えなかったのです。

お母さんの入院先「七国山病院」には実在するモデル病院がある

劇中で靖子が入院していた「七国山病院」は、現在「結核予防会新山手病院」として存続している東京の多摩地区、八国山緑地にある結核療養所がモデルとなっています。八国山緑地は実際に緑が深く、劇中で描かれている七国山病院にそっくり。原風景に忠実に描かれていることが知られています。

鈴木敏夫プロデューサーは宮崎監督に八国山緑地を案内された際、その緑の深い地を「神さまの住処」だと言ったそうです。まさに『となりのトトロ』にぴったりな場所ですよね。

また、宮崎監督は『となりのトトロ』の製作中、木造病棟が残っていた結核療養所「保生園」を取材をしたそう。八国山緑地付近には複数の病院があるため確実な病院名は分かりませんが、保生園がモデルとなっている説が濃厚です。

なぜ引っ越した?お母さんの体調が関係する?

草壁一家がトトロと出会う田舎町に引っ越してきた理由はやはり、靖子の病気の治療です。結核の療養所があり、肺に良い綺麗な空気のある田舎を選んで都心から引っ越してきたと考えられています。もちろんその理由ははっきり明かされていませんが、大学の非常勤講師として都心まで通勤するタツオを見れば、仕事のためではないことが分かりますよね。

緑が豊かで、排気ガスの汚染が少ない田舎であれば、靖子の長期的な治療も安定して行えます。母親がいない新しい生活に不安を覚えていた2人も、この田舎町でトトロと出会うことができたのです。

お母さんがサツキの髪をとかすシーンに秘められた監督の思い

七国山病院へお見舞いに行ったサツキとメイが、靖子と対面するシーンでは、姉妹と靖子の関係性や距離感が繊細に描かれています。活発でおしゃべりなメイ、それをなだめながら嬉しそうにしているサツキを優しく見つめる靖子の佇まいが印象的だった人も多いでしょう。

宮崎監督の実際の親子関係が活かされている

病室でサツキとメイが靖子と対面する際、はしゃぐメイとは反対に、照れ臭そうにしているサツキが描かれています。メイは素直に靖子に甘え、たくさん喋っていますが、サツキは控えめに寄り添って静かにしているのが対照的なシーンです。

このシーンに関して宮崎監督は、自身の親子関係をベースにして描いたと発言しています。

「僕自身と母親との関係ってのは、あんなサツキみたいに親しいものじゃないですからね。もっと自意識過剰で、それはお袋の方だってそうで、病院にお見舞いに行ったからって、抱きつくわけにも行かない。つまり、サツキがちょっと恥ずかしくってすぐ寄っていかないのが、最もなんですね。」

宮崎監督は、このような自身と母親の関係をベースにお見舞いのシーンを描いたのです。そして照れ臭い関係の中、靖子が髪をとかすというシンプルなスキンシップで愛情を示します。メイのようにワガママを言えないサツキを靖子なりに甘やかした素敵なワンシーンなのです。

お母さんの嘘?サツキがお母さんに似ていないという意見も

サツキとメイがお見舞いに来るシーンで、靖子はサツキの髪をとかしながら「あなたは母さん似だから」と言っています。しかし多くのジブリファンは、サツキはお父さん似(タツオ似)、メイはお母さん似(靖子似)であることを指摘しているのです。

実際に映像を確認をしてみると、確かに靖子のはちの広いおでこやストレートの髪はメイによく似ていて、タツオの狭いおでこやボリュームのある癖っ毛はサツキに似ていると言えます。このことから靖子の発言は「お母さんのようになれる?」と期待しているサツキに対す優しい嘘だったのではないかと考えられるのです。

知的で落ち着きのある佇まいや雰囲気は靖子とサツキに共通していますが、外見で言えばサツキはお父さん似と言えるでしょう。

『となりのトトロ』のEDの歌に注目!静止画で明かされるお母さんのその後

『となりのトトロ』のEDでは、映画のタイトルをそのまま曲名にした「となりのトトロ」という曲が使われており、そこではサツキとメイのその後が描かれています。

『となりのトトロ』のラストではタクシーに乗ったお母さんが帰宅

EDが始まると、まずタクシーで帰宅する靖子と、靖子を嬉しそうに出迎えるサツキとメイの姿を描いた静止画が表示されます。このことから、劇中で帰宅が延期されたシーンから靖子の体調が回復し、帰宅の夢が叶ったことが分かります。

その後のシーンでは靖子がサツキとメイと自宅の湯船につかる場面、靖子がサツキとメイと一緒の布団に入って絵本を読み聞かせる場面などが登場します。靖子が一時帰宅、または退院をしてサツキとメイと楽しい日々を過ごす未来が垣間見えるのです。

そしてエンディングの静止画には枯葉や長袖姿のキャラクターたち、トトロの雪だるまなどが登場することから、静止画が物語の夏が終わったその後であることが分かります。時間経過が意識されている演出なので、靖子の体調がすぐに回復したと予想できますね。

お母さんは退院する?不穏な都市伝説が多い『となりのトトロ』も最後はハッピーエンド

劇中で病が快方に向かっていると示唆するセリフが多いことや、エンディングの静止画から、靖子は無事に退院してサツキとメイと楽しく暮らすことが予測されます。都市伝説として死亡説や悪化説などが囁かれることも多いですが、映画を最後まで観ればハッピーエンドであることが分かるのです。

また、EDに登場するメイより小さな子供がサツキとメイに続く草壁家の末っ子なのではないかとも言われています。このことから靖子の体調不良を妊娠による影響だと考察する意見も見られますが、作中の引っ越しや病院の雰囲気、靖子の状態を見ると妊娠ではないことが分かりますよね。

優しく印象的!『となりのトトロ』ファンに人気なお母さんのセリフ

ここからは、劇中に登場する靖子の印象的なセリフを紹介していきます。

「あの子たち見かけよりずっと無理してきたと思うの。サツキなんか聞き分けがいいから、なおのことかわいそう」

靖子がタツオと2人きりの時にこぼす子供たちへの本音です。靖子は自分の病気で引っ越しすることになり、生活が一変した2人のことを心配しています。特にメイの面倒をよく見ていてしっかり者であるサツキへの負担を懸念しているのです。

「退院したら、今度はあの子たちにうんとワガママをさせてあげるつもりよ」

自分が入院して寂しい思いをさせてしまっているサツキとメイに対し、愛情を見せる靖子のワンシーンです。このセリフからも靖子の体調が快方に向かいつつあり、退院して帰宅できる日が近付いていることが分かりますよね。

「今そこの松の木でさつきとめいが笑ったように見えたの」

ラストシーンでネコバスの力を借りて七国山病院までやってきたサツキとメイに、靖子はうっすらと気が付くのです。病院の窓から見える松の木で微笑みながら靖子を見つめるサツキとメイ、そして「お母さんへ」というメッセージが彫られたとうもろこしのプレゼント。

タツオと靖子はそれを受け取って微笑みます。このシーンからもタツオと靖子はトトロをはじめとする不思議な存在に対して肯定的であることが分かりますよね。普通だったら驚きそうなシーンですが、2人はサツキとメイの気配にも不思議なとうもろこしにも驚かず不思議な現状を受け入れます。

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