【風の谷のナウシカ】巨神兵の正体とは?強さや生態を詳しく考察!

『風の谷のナウシカ』は、1984年に宮崎駿監督によって手がけられた長編アニメーション作品です。昨今のジブリ作品よりもディープでシビアな作風が特徴的で、大人向けの深いストーリーやキャラクターたちが人気を集めています。

特に印象的なのは、映画の冒頭にも登場する「巨神兵」でしょう。凄まじい攻撃力で地球を焼き尽くした恐ろしい存在で、劇中にも禍々しい姿で登場します。

しかしそんな巨神兵には、映画版では描かれない知られざる真実が隠されているのです。実は魅力的な面も多く、知れば知るほど印象は変わっていくでしょう。

今回は、そんな巨神兵の正体や生態を詳しく解説していきます。『風の谷のナウシカ』を深く知りたい、巨神兵が気になる、という方はぜひチェックしてみてくださいね!

目次

巨神兵の正体とプロフィール

まずは巨神兵の簡単なプロフィールから確認していきましょう。

名前巨神兵・オーマ(ナウシカが命名)
身長推定40〜80m(公式未発表)
能力飛行
念話・念写
プロトンビーム
役割調停と裁定
構造人工タンパク質(表面)
超硬質セラミック(内部)

巨神兵は身長や体重、性別や年齢などの一般的なプロフィールが公開されていません。しかし、その生態は物語の中で一部明かされています。

巨神兵は卵から誕生した?

巨神兵は、自然の生物のように卵の中で成長し、覚醒する人工生物です。その孵化する姿は映画版でも漫画版でも描かれています。映画版ではその姿が後半部分で登場していますよね。薄い膜の中で蘇生される巨神兵が印象的だった人も少なくないでしょう。

原作である漫画版では、最初にペジテで内部構造やエンジンの無い巨神兵の骨格が見つかります。そして骨格には秘石入りの箱が繋がっており、技術者はそれを制御装置だと考えて操作しました。数日後、巨神兵には心臓と筋肉が形成され、ここで箱が巨神兵の胎盤の役割を果たすことが判明します。

そして技術者たちはかつての戦争「火の7日間」の再来を恐れ、巨神兵の蘇生を中止。これを知ったトルメキア帝国はペジテを攻撃して巨神兵を奪おうとしますが、王女ラステルによって秘石が持ち出されたため、断念したのです。その後秘石は、ラステルの双子の兄アスベルを経由し、ナウシカの手に渡りました。

その後巨神兵はトルメキア帝国と敵対する土鬼に奪われ、旧人類の技術によって蘇生が進められます。この時、巨神兵は卵のような人工子宮に包まれた状態で土鬼の街に空輸されますが、その途中で風の谷のガンシップと遭遇。巨神兵はそこで放たれた砲撃に反応して孵化しました。

大き過ぎる巨神兵の身長

巨神兵は、7日間で数体で地球を焼き尽くした人工生物。そのことから、巨神兵の大きさは40mから80m前後なのではないかと推測されています。これは公式が発表している情報ではありませんが、映像や漫画の作画に当てはめても大きな相違はないようです。

この大きさは東京タワーや、京都の大文字焼きのサイズに相当します。かなり大きいですよね。こんな巨大な怪物が世界を焼き尽くす戦争など、想像を絶する恐怖です。

一方で、庵野秀明監督が企画したスタジオジブリ製作の短編映画『巨神兵東京に現わる』では、1,000m近くの大きさの巨神兵が登場します。これに関してはスピンオフ的な作品のキャラクターなので、相違性を問題視する声も少なめです。しかし、原作の推定よりもはるかに大きいため、巨神兵には自在に身長を変化させる能力があるのではないかという意見もあります。

巨神兵には母が存在する?ナウシカと親子?

映画版では描かれませんが、復活した巨神兵はナウシカのことを母として慕います。これは、ナウシカが巨神兵の制御を行う秘石を持っていたためです。そして巨神兵はナウシカを守り、ナウシカの計画に協力します。もともと旧人類によって「調停と裁定の神」として作られた巨神兵は非常に賢く優秀です。巨神兵はそんな能力を活かして素晴らしい働きを見せました。

巨神兵がオーマと呼ばれる理由

巨神兵の別名として知られる「オーマ」は、秘石を持って巨神兵の母となったナウシカが命名したものです。ナウシカはエフタル語で「無垢」を意味するオーマという名を、巨神兵に与えました。

卵から孵化したばかりの巨神兵は幼児並みの知能しか持っていませんでしたが、名前を与えられてから急激な成長を見せます。本来の役割である「裁定者」としての能力を覚醒させ、ナウシカの強力な味方となったのです。

巨神兵の独特のデザインにはモデルがある?

巨神兵は、筋肉質な肌に無数の角などを持つ独特のデザインが特徴的。実はそんな巨神兵にも原案となるイメージがあるのです。

巨神兵の原画を作成したのはエヴァンゲリオンで有名な庵野秀明

映画版に登場する巨神兵の原画は、「エヴァンゲリオン」シリーズを手がけた庵野秀明監督が作成しました。庵野監督は学生時代に自作の絵を持って『風の谷のナウシカ』を制作したトップクラフトを訪問。そしてその絵を見た宮崎監督が採用を決定したそうです。

そして会社に寝泊まりするような多忙な日々で疲れ切った庵野監督がふらふらと歩く姿が、映画冒頭の行進する巨神兵のモデルになったと言われています。作画とキャラクターデザインを行った本人が、動きのモデルにまでなっているなんて面白い話ですよね。

巨神兵は日本製?東亜工廠の商標が確認できる

漫画版の巨神兵には、「東亜工廠」という商標が刻まれていることも有名です。厳密には巨神兵の歯の部分に刻まれており、このことから巨神兵は日本製であると考えられています。東亜とは東アジアを指す言葉で、工廠は軍製品を製造する工場を指す言葉。つまり東亜工廠は国営であり、巨神兵は日本が国を挙げて製作した人工生命であると考えられるのです。

そのため、巨神兵のヘルメットのような頭や持っている武器は、日本らしいデザインがベースになっていると考えるファンも少なくありません。

『進撃の巨人』との共通点が多いとの意見も

巨人が過去に大きな大戦を繰り広げ、人類の未来や生活を大きく変えるという点で、『進撃の巨人』と『風の谷のナウシカ』はよく似ていると言われています。特に人間よりはるかに巨大な巨人、巨神兵が人類の文明を後退させたという展開自体はそっくりですね。

そしてこれは宮崎監督と、『進撃の巨人』の作者である諫山創さんが、現実世界で実際に勃発した「暗黒時代」を作品の参考にしているからではないかと言われています。暗黒時代はローマ帝国が崩壊し、西洋の文明が衰退した実際の期間です。あくまでこの説はファンの間で生まれた推測に過ぎませんが、このように考えると共通点があるのも納得できますよね。

新世界の神に匹敵する!巨神兵の強さを考察

ここからは、巨神兵の強さを考察していきます。

凄まじい威力のプロトンビーム

まず巨神兵と言えば思い出されるのが、非常に強力なビームです。映画版でも漫画版でも登場し、王蟲の攻撃や戦闘などでの使用が見られます。このビームは「陽子収束弾」で、正式名称は「プロトンビーム」。威力としては額の単眼からは低出力、口からは高出力、と加減ができます。

言葉や超常の力を操る

攻撃力に加え、巨神兵は念話や念写などの超常の力も持っています。言葉を介さずに直接敵の頭の中に語りかけたり、イメージを見せたりすることが可能です。ナウシカも似ている力を持っていますが、巨神兵の力はナウシカの念話を一方的に遮断できるほどの強いもの。製作した旧人類の言う通り、神の領域に踏み込むような凄まじい力なのです。

巨神兵にまつわる印象的なセリフ

ここからは、巨神兵が登場するシーンで登場した印象的なセリフを紹介します。

「どうした化け物、それでもこの世で最も邪悪な一族と言われた末裔か」

こちらは映画版ナウシカで、クシャナが無理矢理覚醒させた巨神兵に向かって言ったセリフです。怒った王蟲の大群を倒すべく、不完全な状態で覚醒させられた巨神兵は本調子ではありませんでした。しかしクシャナはそんなことには構わず、巨神兵をただの兵器として罵るのです。原作を知ってるファンからすると、少し切ないシーンと言えますね。

「私は私を産み、私を導き、私に名を与えた小さき母にのみ従う」

こちらは原作漫画の第7巻に登場する知性をつけた巨神兵・オーマのセリフです。映画版と異なり、完全体として覚醒したオーマは秘石を持つナウシカ従順であり、ナウシカを「小さき母」として慕います。知性を身につけたオーマは、攻撃力と超常の力でナウシカに尽くし続けました。

映画版と漫画版で異なる巨神兵の最期

ここからは、映画版と漫画版でそれぞれ異なる巨神兵の最期を紹介していきます。どちらか一方しかご覧になっていない方にはネタバレになるのでご注意ください。

映画版ではなぜ腐ったのか?

映画版の巨神兵は、物語の終盤で登場します。トルメキア帝国によって蘇生が進められていましたが、怒った王蟲の群れを倒すべく、不完全な状態で覚醒させられてしまうのです。体は固まらずドロドロの液状のまま、プロトンビームを2発放ったところで腐ってしまいます。

完全な状態の巨神兵にすら負担を与えるプロトンビームのは、不完全な巨神兵に大きなダメージを与えてしまったのです。実際に漫画版に登場する巨神兵も、プロトンビームや飛行能力を使うことで、自らの体にもダメージを受けていました。立て続けに2発のプロトンビームを

原作では完全体として登場するも戦いに敗れる

原作の漫画では、巨神兵は完全体として復活しナウシカの強い味方となります。映画版よりもずっと活躍が多く、数々のセリフや能力で魅力的な側面を見せてくれるため、ファンになる方も少なくありません。しかし、そんな完全体の状態でも、墓所を破壊する際の反撃で絶命してしまいます。最期までナウシカを守り、心優しい息子としてナウシカに看取られるのです。

ナウシカは「オーマ、あなたは私の自慢の息子です。誇り高くけがれのない心の勇敢な戦士です。それにとても優しい子です。」とオーマの死を心から悲しみます。

[nausicaa]

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