【魔女の宅急便】トンボの本名や年齢は?原作で描かれるキキとのその後も解説!

魔女の宅急便

角野栄子さんの同名児童小説を原作とし、1989年に公開されたスタジオジブリ映画『魔女の宅急便』は、宮崎駿監督が脚本も担当したジブリ作品の不朽の名作。

そして空を飛ぶことを夢見る少年・トンボは、自由自在に空を飛ぶキキに憧れ、仲良くなろうと奮闘する作品のキーパーソンです。キキに振り回されながらもキキの成長を助ける心優しいトンボは、ジブリファンの間でも高い人気を獲得しています。

今回は、そんなトンボのプロフィールを劇中の展開とともに詳しく解説していきます。原作で描かれるキキとのその後も詳しく紹介しているので、ぜひチェクしてみてくださいね!

ジブリきってお調子者!トンボのプロフィール

キキがコリコの街にやって来た時から、彼女に憧れて仲良くなろうとするアクティブな性格のトンボ。いつも笑顔で人懐っこい性格なので多くの友人がいる描写も多く、いつも人の中心にいるような人気者です。まずはそんなトンボのプロフィールをチェックしていきましょう!

名前あだ名:トンボ  本名:コポリ
性別男性
年齢14歳(原作設定)
外見黒縁眼鏡・赤白ボーダーのシャツ
所属飛行クラブ(空とぶ魔女のほうきの研究)
声優山口勝平さん

トンボの声優は山口勝平さん

ジブリ映画版でトンボの声を担当しているのは、ベテラン人気声優の山口勝平さんです。数多くのアニメやゲームで有名キャラクターの声を担当してきた大御所声優さんで、トンボ以外のキャラクターで山口さんのファンになった方も多いでしょう。

山口さんが担当してきたキャラクターは、『らんま1/2』の早乙女乱馬や、『ワンピース』のウソップ、『名探偵コナン』の工藤新一と怪盗キッド、『犬夜叉』の犬夜叉など。多くの人気作品に登場する主要キャラクターの声を演じています。クールな役からポップな役まで自在に演じ分ける山口さんの柔軟な声は、優しさとお茶目な一面を兼ね備えるトンボにピッタリなのです。

トンボの本名は「コポリ」

トンボという名前はニックネームで、本名は「コポリ」であることが劇中で明かされています。パン屋のおソノさんがキキに届け物を頼むシーンで、おソノさんはキキとトンボの中を取り持つために、あえて「コポリさん」に届け物をするように依頼するのです。キキはトンボの本名がコポリだと知らなかったので届け先で驚くのですが、これがキキとトンボの絆を深める重要なワンシーンになりました。

コポリが名字なのか名前なのかは明らかにされていませんが、おソノさんがお客の名前として使っていたことや、キキが「コポリさん」と言っていたことから、ファンの間では名字ではないかと推測されています。そのため、トンボが愛称でなければ、トンボのフルネームは「コポリ・トンボ」。しかしコポリという名前は原作には登場しないため、この名前はあくまで映画版だけの設定です。

また、トンボという名前は、トンボのキャラクターや外見から付けられたニックネームであるとも考えられています。トンボが着用している大きな黒縁眼鏡、そしてトレードマークのボーダーシャツ、さらにトンボが空中飛行を目指していることから、昆虫のトンボとの類似点が多くトンボが愛称になったのではないかという推測がファンの中では有名です。

トンボの年齢はキキの1歳上

映画版の中でトンボの年齢は明かされていませんが、原作では「キキの1歳上」という年齢設定が公表されています。そのため、トンボの年齢は14歳前後と考えて間違いないでしょう。映画でもキキとトンボは年齢差がなく親しげに描かれているため、この年齢設定は採用されているようです。

14歳は日本で言えば中学二年生にあたる年齢で、トンボもその年齢に相応しい明るく活発で、好きなものに夢中になる人格で描かれています。修行に励み、生きることや自分の魔法と真剣に向き合うキキとはある意味対照的な存在と言えますよね。

飛行クラブのメンバーで自転車の改造もできる

トンボは映画でも原作でも明かされているように、「飛行クラブ」という飛行機や空を飛ぶことに関する研究をするクラブに所属しています。さらに詳しく確認すると、原作のトンボが行なっているのは、飛行クラブの中の「空とぶ魔女のほうきの研究」。キキのほうきに強い興味を持つのは当然のことだとよく分かりますね。

さらにトンボは、自転車を改造した人力飛行機の製作も行なっています。メカが好きで機械の改造にも慣れている設定なので、人力飛行機も飛行クラブのメンバーと自力で製作したようです。実際に映画版のエンディングでは人力飛行機が完成し、キキの魔力を借りながらも飛行に成功するシーンが描かれています。

トンボは人気者?友達が多い明るい性格

トンボは明るく誰にでも人懐っこく話しかけるような性格であることが、映画からも原作からもよく分かります。街でいつも友人とどんちゃん騒ぎをするような人気者のようです!

明るい性格で男女問わず友達が多い

トンボの交友関係は非常に広く、映画版でも街にたむろする不良のような少年が親しげにトンボに声をかけたり、ボロ車に乗る大勢の少年たちと親しくしていたりするシーンが描かれています。トンボとキキが浜辺で語らうシーンで合流する少年少女も、トンボと同じ飛行クラブのメンバーであり親しい友人です。このことから、トンボには男女問わず多くの友人がいることが分かります。

余談ですが、キキが大雨の中「ニシンのパイ」を届けた際に意地悪な対応をした少女も飛行クラブのメンバーだと言われています。クールな少女とも打ち解けて親しくしている様子を見ると、トンボはかなりの人気者のようです。

キキはそんなトンボと仲良くなれたことを喜びつつも、嫉妬のような感情でトンボに冷たい態度をとってしまうシーンがありますよね。あのシーンでは、キキの人間関係に対する複雑な感情と成長を描いているそうです。

飛行船で世界一周を夢見るロマンチスト

トンボは映画版のワンシーンで、浜辺の飛行船を眺めながら「あんなので世界一周できたら最高だろうなあ」と自らの夢を語っています。空を飛ぶことを強く夢見ていて、それを周囲から心配されているような話をキキにするのです。

一見明るくおちゃらけたような印象を持たれがちなトンボですが、その話は切実で、トンボが本当に空を飛ぶことに憧れているのがよく分かります。そしてトンボは「空を飛ぶ仕事に自信がない」と落ち込むキキを「才能を活かしていて素敵だ」と励ましてくれるのです。

空中飛行を夢見るロマンチストのトンボが、飛行とキキに真剣に向き合っていることがよく分かる素敵なワンシーンですよね。人々から愛されるトンボの素直な性格がよく描かれています。

トンボとキキは結婚する?原作では大人の2人が描かれる

映画版では、トンボとキキは大きな成長を見せず、キキがコリコの街に打ち解けて修行を続けていくという幸せなラストで物語を終えています。一方の原作では、トンボとキキのその後もしっかりと展開され、2人の人生や恋も詳しく描かれています!

魔女の宅急便の原作ではトンボとキキは30代になる

映画版は原作の第2巻までがベースとなっていますが、原作は第6巻まで出版されている長編作品です。そして全6巻の中で、キキは35歳、トンボは36歳の大人へと成長を遂げます。2人は一緒に成長していく中で恋に落ち、遠距離恋愛やトンボの恋敵となる男性の登場などの困難を乗り越え、第5巻結婚する幸せな結末を迎えるのです。

映画版では出会ったばかりの幼い2人の友情しか描かれませんが、原作では2人の恋愛、結婚、そして結婚後の生活が詳しく描かれているので、ファンの方はぜひ読んでみてください!

トンボとキキの子供はニニとトト

原作小説で結婚したトンボとキキの間には、お転婆な少女・ニニと物静かで読書好きの少年・トトの双子が誕生します。ニニにはブブという黒猫、トトにはベベという黒猫の相棒がおり、2人はキキと同じように13で魔法使いとしトンボとキキのもとを旅立つのです。

原作ではニニとトトが魔法使いの道を歩むまでの葛藤や、成長などを繊細に描いており、映画版とは違った魔女の物語を楽しめます。ニニとトトの物語には引き続きおソノさんが登場し、後々おソノさんの娘まで登場するため、映画版のファンも必見ですよ!

ファンが好きなシーン満載!トンボの名セリフ

ここからは、映画版に登場するトンボの名セリフをシーンの背景とともに紹介していきます!

「さすがは魔女だな、僕のおばあちゃんみたいだ!」

これはコリコの街に初めて降り立ったキキが、交通ルールを無視して警官に捕まったところを、トンボが助けた後のシーンに登場するセリフです。助けたのは自分だ、とキキに話しかけるトンビに対し、「助けてほしいなんて頼んでないわ!」とキキは冷たい態度を取ります。

トンボは一瞬あっけに取られますが、怒ることもなくこのセリフを言って笑うのです。心が広く人懐っこいトンボらしさが感じられるセリフですよね。

「君こそ雨の中大変だったね。」

飛行クラブのパーティーに招待したキキを大雨の中待っていたトンボに、風邪をひいていたキキは謝るタイミングを失っていました。しかし、気を効かしたおソノさんがトンボへの届け物をキキに託し、キキはトンボとの会話の機会を得ることができたのです。

そこでキキはトンボに「待っていてくれたのにごめんね」と、珍しく素直に謝ります。するとトンボは怒るそぶりも見せず、このセリフでキキを労ってくれました。さりげなく相手を気遣えるトンボの性格は、多くのジブリファンの人気を獲得する大きな理由と言えるでしょう。

「才能を生かした仕事だろ。素敵だよ。」

自分の仕事に自信をなくしていたキキでしたが、トンボと浜辺に出かけたことで少しずつ元気を取り戻していきます。そして仕事に対する悩みを明かすキキを、トンボはこのセリフで元気付けるのです。トンボの素直で優しい励ましに、キキも思わず「トンボっていい人ね」と言っていました。

コリコの街の人気者という現在の自分とは正反対の存在であるトンボに戸惑っていたキキですが、トンボのまっすぐな人柄に触れて心を開いていくのです。